代表挨拶
今から30年前、日本は経済成長の真っ只中にあり、ナンバー・ワンを最大の価値とする時代といえました。バブル経済の崩壊後、我が国の産業界は過度な競争を嫌うようになり、競争原理のナンバー・ワンだけでなく、互いを尊重するオンリー・ワンという価値観を求めるようになっていきます。さらに、現代のように経済の低迷が常態化した時代では、順位付けという行為自体に価値を感じなくなり、他との共存を強く求める新たな社会の在り方が求められるようになっていくのではないかと考えています。それは利己的な競争社会から利他的な共生社会へと移り変わることであって、その過程における活動は新しい社会や経済を導くための原動力になるものと期待されます。
この変革の時代において、新しい価値を皆様に提案したいという思いから、イーエム技術開発のプロジェクトはスタートしました。そして、その新しい価値を実現するための鍵となるのが、当社の経営理念にある「質の良い普通」と考えています。普通を実現するためには皆様が安心して生活できる基盤が無ければなりません。さらに普通の質を高めるためには経済が成長している必要があります。これは、これまでの時代において追い求めてきた当たり前の価値観でありながら、これまでの社会では実現できなかったことです。それは、今までの方法論では実現し得ない究極の目標といえるのかもしれません。その究極の目標を達成するために、私たちイーエム技術開発は、手段としての“EM”に着目しました。
EMは既に目新しい技術ではありません。EMの情報は世間にあふれ、今更という声があるのも事実です。しかし、EMは、共生という考え方を理屈ではなく製品の域にまで高めた最初の普及商品で、これからの時代にこそ必要な技術ではないかと考えています。
3月11日の東日本大震災では、多くの方が被災されました。被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
私たちの理解を越えた大災害を目の当たりにして、私たちは本当に大切なことを感じました。そして、その大切な一つに相互扶助がありました。自らの力だけではどうしようもない中であっても、支えあうことができれば、生き抜くことができます。つまり、共生こそが生き抜くための基礎力であるということが分かったわけです。しかし、この考え方を産業分野で実現することは困難を極めます。実現は難しいと言われるかもしれません。だからといってあきらめるのではなく、前に進むことが重要です。イーエム技術開発は、見返りがあろうとなかろうと、自らの信じる道を率先して歩み、行動します。その歩みが多くの方に何かしら共感頂ければ、それだけでも良いのではないかと考えています。これからの時代の礎になることができれば、時代は必ず紡がれていくのです。そのための石ころであっても少しでも役に立てればそれでいい。誰もしないことをしなければ、時代の扉は開かないのです。
私たちイーエム技術開発は共生という古くから大切にされてきた思いを胸に、未来の在り方を自ら示し続ける企業でありたいと考えています。そして、私たちは皆様が参考にして頂けるような企業となれるよう常に先頭に立ち、多くのパートナーと共に一歩でも前に進み続けることを誓います。
今後も皆様に求められる企業となれるよう務めてまいりますので、ご支援賜りたく何卒宜しくお願い申し上げます。
平成23年8月15日
合同会社イーエム技術開発
代表社員 植田 悦史